愛する家族の一員であるワンちゃんも、時が経つにつれて高齢になります。
最近ふと思うことがあります。
幼少期より実家にはいつもワンちゃんが居ました。それぞれの最期の時、とてもつらい気持ちになりました。ですが、いま僕が思う事、『今だったら優しいごはんを作って上げれたのに…』と朧げに考えることもあり、今回コラムを書いています。
少し脱線しましたが本題に戻ります。
愛犬が齢を重ねて、大切な時期に、彼らが健康で快適に過ごすためには、特別な配慮が必要なのかも知れません。
今回のテーマは、そんな高齢犬のための優しい食事と、手作りごはんが彼らに必要なのかについて掘り下げていきます。
高齢犬の体に起こる変化
高齢犬の体は、若い頃と比べてさまざまな変化がみられます。消化器系の機能が低下したり、歯が弱くなったり、体重管理が難しくなったりするなど、食事に関するさまざまな課題が出てきます。
特に僕らに寄せられるDMの断トツ1位
・ ドライフードを食べなくなり困っている
・ 自身で手作りしているが美味しくないのか、食べてくれない
・ 食べないので痩せて困っている
こうしたお声がとても多いのが現状です。そのため、シニア期に入った、彼らの体に優しい食事を考えることが非常に重要になってくるのではないかと思います。
そこで考える手作り食のメリット
今の時代は、市販のペットフードも多くの選択肢があり、品質の高い製品も多いですが、高齢犬にとって最適な食事を提供するには、手作り食が最適な選択となることがあります。その理由をいくつか挙げてみましょう。
1. 食材の選択が可能:手作り食では、食材を自分で選べるため、愛犬がアレルギーを持つものや苦手な食材を避け、栄養バランスを考えた食事ができます。
2. 新鮮な食材を使用できる:新鮮な食材を使うことで、添加物や保存料を避けられ、健康的な食事を与えることができます。
3. 食事の調整が簡単に: 高齢犬の健康状態や好みに応じて簡単に食事内容を調整できます。食欲が落ちている時は、好みの食材を多めにしたり、食べやすいように工夫したりすることができます。
と、ここまではチャレンジしたと言われる飼主さんも多く寄せられます。
次に手作り食のポイント
まずは、手作り食に挑戦してみようと考えた飼い主さんが抑えておくべきポイントをおさらいを含めて、振り返ってみましょう。
1.栄養バランス:高齢犬のための食事は、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、適切な栄養バランスが求められます。特に、タンパク質は筋肉量の維持に必要な栄養素ですが、腎臓に負担をかけないように注意が必要です。適切な食材を朝晩と変えたりすることが重要です。
2.消化しやすい食事: 高齢犬は消化器系の機能が衰えています。消化しやすい食材を選び、細かく刻んだり、ミキサーでペースト状にしたり、柔らかく煮たりして工夫をしましょう。
3.食事の量:体重管理も大切です。よい食材だからと言って、過剰な食事は肥満の原因となり、健康を損ねることがあります。適切な量を心がけ、定期的に体重チェックを行いましょう。
家庭でできる手作り食のレシピ
では、実際に高齢犬に優しい手作り食の簡単なレシピをご紹介します。材料や分量などは体重などに合わせ異なりますので、あえてお示ししておりません。
鶏肉とお野菜のレシピ
材料:鶏の胸肉(骨なし、皮なし)、かぼちゃ、にんじん、さつまいも、ブロッコリー、ブロッコリー、オリーブオイル、水
作り方:
- 鶏の胸肉を茹で調理します。肉が冷めたら、細かく刻みます。
- 鍋に水を加え、みじん切りにした野菜を入れて煮ます。
- 野菜が柔らかくなったら、火を止めて水気を切り、煮汁ごと鶏肉に混ぜます。
- オリーブオイルを加えてよく混ぜます。
- 冷蔵庫で荒熱をとり、ドライフードと併用します。
鶏肉は消化が良く、低カロリーで高タンパクです。
サーモンと野菜の蒸しごはん
材料:生サーモン(塩なし)、かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、お米、オリーブオイル
作り方:
- 生サーモンを蒸し器で蒸し、調理します。蒸すのがポイントです。サーモンが冷めたら、骨を取り除き、細かくすり潰します。
- 別の鍋に水を加え、みじん切りにした野菜を入れて蒸します。
- 野菜が柔らかくなったら、火を止めて水気を切り、蒸し汁を少し残しサーモンに混ぜます。この時に少しの炊いたお米を少し混ぜてあげるとお米の甘味で食欲を促せます。
- 仕上げに少量のオリーブオイルやアマニ油などを加えてよく混ぜます。
- ドライフードと併用して与えます。
鮭は手軽に入手できる食材でもあり、ワンちゃんと相性も良い食材です。
しかし手作り食にも弱点があります。以下のコラムを参考にして下さい。
▶ ビタミンの必要性
▶ ミネラルの必要性
▶ 免疫力アップのまとめ
毎日が大変だから・・・
DMでやり取りをさせていただいた方は、ご存知かもしれませんが、僕は初めからブルズごはんをお勧めしません(笑)
もちろん材料や工程にこだわり、使いやすさなども考え、手間暇をかけて完成するCUBEごはんなど自信を持っております。ですが、手作り食は毎日がとても大変!!と体感された飼主様に、僕は最後に『ブルズごはん試してください』とお伝えします。
ごはん作りを通して学んだこと、愛犬のこと、日々の調理など、想いをもって手作りしています。愛犬のことを想い、考えて選んでいただきたいと考えているからです。愛犬にとって、ごはんがコロコロ変わることやドライからウェットに変化することで様々なことが変わります。
また【食べること=完食する】ことだけではなく、日々スムーズに食べてくれたり、喜んだり、愛犬との時間が良い方向へ変わっていく事がとても大切だと考えています。
それが僕らのテーマでもある『今日もたくさんのワンちゃんが美味しいごはんを食べれますように…』という想いです。
まとめ
高齢犬の健康維持と幸せのためには、優しい食事が不可欠です。
手作り食は、食べることのきっかけとして、一つの素晴らしい方法であり、愛犬との絆を深める機会にもなると思います。
しかし、手作り食にも注意が必要です。特に、栄養バランスやビタミン・ミネラル不足に気をつけ、必要に応じて獣医師や専門家のアドバイスを求めることが重要です。高齢犬が健康で長生きできるように、愛情を込めた食事を心がけましょう。
高齢犬のための優しい食事に関して、このコラムでは表面をなぞるに過ぎません。
しかし、手作り食の必要性やそのメリット、基本的なポイントを把握することができたと思います。
これを機に、ぜひ愛犬のために手作り食に挑戦してみてはいかがでしょうか。飼主さんの愛情がいっぱい詰まった食事が、高齢犬の健康をサポートし、愛犬との生活をより豊かにする一助となると僕は信じています。